賴清德總統の就任

台湾人について
台湾人について
先の総統選で当選した民進党の党首である賴清徳さんが今日就任しました。この機に色々日本のメディアでも取り上げられているでしょう。敏感な話題であるのは承知していますが、今の自分の見方を書いておきたいと思います。
 まず、日本では中国(こちらでは大陸という言い方をします)にアレルギーを持つ人が増えているためもあると思いますが、中国と距離を置き独立志向と言われている(最近はそう言っていません)民進党寄りの報道がされることが多いと思います。
 自分もそうでした。今回退任する蔡英文さんの自伝を読んでも共感する所が多く、民主化を成し遂げ、日本でも評価する人が少なくない李登輝さんとの共通点も感じます。実際,蔡英文さんの舵取りはバランスが取れていたと思うし、個人的にはかなり評価しています。
 それは今でも基本変わっていませんが、こちらで住んで見ると当然ながら事情は複雑です。要因の一つ目は、現実として中国のバイイングパワーや観光客のおかげで仕事が成り立っていた人も少なくないので,そういう利害関係のある人たちの中には中国よりの国民党の支持者も多いです。
 二つ目は、民進党のスキャンダルが最近かなり報道されている事もあるでしょう。時期総統の賴清徳さんの旧家が税金を優遇されていたりとか、コロナウィルスの時の対応(私はよくやった方だと思います)を批判する人もいるし、鳥インフルで卵不足になった時の政府の対応をを批判する人もいます。
 自分に言わせれば、困難な時にはどの政党、党首が政権を担っていても、どうしようもなく問題が起きることはあるので、それを理由に否定すると、もっとましだろうと思って投票した政権が全然だめだったという事も当然あります。自民党がだめなので民主党に一度は政権を取らせようとして、実際は酷かった記憶は、今の日本人の多くは骨身に染みているでしょう。
 台湾はその過渡期にあるのかなとも思います。なので、総統は賴清徳さんを選んだけど、政権としてはまずい面も多々あるので全面的には信を置けない、だから国会議員(こちらでは立法委員)の選挙では、他の政党にも入れてバランスを取ろうという意識も感じました。これには、民進党の人材不足もあるでしょう。中央政権は別として、地方自治体の長となるとまだまだ層が薄くて、あまり成果が上がっていない都市、県もある印象です。
 その結果、今の政権運営は、総統は民進党ですが、国会の多数は国民党、キャスチングボートを第三勢力の民衆党が握っているという構図なので、波乱含みです。数日前には運営を巡って国会内で乱闘があり、議員が何人か怪我をしたというニュースが流れていました。国民党議員に高い所から落とされて脳震盪を起こした民進党の議員もいて、今後の国会運営はちょっと心配になります。
 今日、学校の近くの定食屋で昼飯を食べていたら賴さんの演説シーンが流れていました。自分が政治家としての賴さんを評価をするにはまだ早すぎますが、選挙戦の時からコミュニケーション能力はとても高いと感じていました。
 なぜかというと、演説が何十分になろうと全く手元の原稿を見ないんです。総統選挙線の時、他の候補は時々は原稿を見ていましたが、賴さんだけは原稿を持たずに演壇上がっていました。日本の政治家でもこういう人は見たことがありません。
 賴さんが大嫌いな中国が何を言おうと、嫌がらせをしようと、台湾ではもう慣れっこになっている感じがありますが、とにかく台湾社会が平穏であることを祈るばかりです。